2017年2月16日木曜日

ふるさと納税返礼品競争について

 昨日、総務大臣がふるさと納税に対する自治体の取り組み状況について苦言されていました。本日も林横浜市長の発言が掲載されていましたが、「寄付という尊い行為が返礼品競争になっているのは本来の意味からは違和感がある」とのことでした。

 「ふるさと納税」が、本来の税制度の考えからはズレてしまっているということは、前回も書きました。そのことと返礼品の過剰競争ということを同じレベルで話すことではありません。
 「ふるさと納税」という制度は税体系としては間違っていると思います。

 ただ、地方自治体が一生懸命ふるさと納税額を増やそうとしていることは、地方の努力です。ある意味「食うか食われるか」なわけです。市外から自分のところに寄付をしてもらわなければ、市内から他の自治体に寄付され、自分のところに納められる税が控除され税収は下がるばかりなのです。

 また、お金に換えやすい商品券や家電などは返礼品にふさわしくないというような発言があったようですが、どんな返礼品でもお金に換えようとすれば出来るでしょうし、どの地域でも特産品があるわけでもない。「うちは工場の街だから、その工場で作っている家電を返礼品にすることで、地域の特性を知ってもらい、出来ればIターン、Uターン促進や労働力の確保につなげたい」ということもあるでしょう。
 特産や名産が無ければ無いなりに、知恵を絞ってやっているわけですし、逆に地方の努力を求めているのは国のはずです。

 そもそもこんな制度を作った総務省のトップが、地方のやり方に苦言をいう前に、制度としての見直しが必要なのではないでしょうか。